寿泉堂綜合病院

救急告示病院 地域医療支援病院 基幹型臨床研修病院
日本医療機能評価機構認定病院

法人のご案内

2023.3. 1

320列CT装置のご案内(寿泉堂綜合病院)

 寿泉堂綜合病院で稼働している320列CT装置についてご案内いたします。

 最大の特徴は、AI技術の一つであるディープラーニング技術(AICE)を応用した画像再構成技術を搭載しており、従来より高精細な撮影が可能となりました。また、320列の検出器を搭載することで、広範囲を一度に撮影できることが可能となったため撮影時間の短縮や、被ばくの低減により患者さんの検査に対する負担軽減が見込めます。

 本装置には他にも様々な特徴があるため、その一部をご紹介いたします。

 

頭部4D撮影 

 広範囲を撮影できる検出器を搭載しているため、一回転で全脳撮影が可能になり、血管(動脈、静脈)、血流動態、血流分布といった情報を持つ4D撮影ができるようになりました。

 この4D撮影は頭部以外でも、骨関節、靭帯、嚥下など機能的動態観察にも応用可能です。

 

  

脳の血流動態を4Dで撮影した動画(左:正面、右:側面)

心臓CT撮影 

 心臓CTの検査でも広範囲を撮影できる検出器(幅16cm)を使用することで、一回転で心臓の撮影が終了します。

 撮影時間についても従来の64列CTでは撮影を行う際に息止めに10秒以上かかっていたものが、1秒以下で撮影が終了します。最短1心拍で撮影が終了することから、患者さんの不整脈発生などのリスクも軽減され、安定したデータ取得が可能になりました。

 

    

広範囲検出器を用いたイメージ      実際のCT写真       一回転の撮影でも様々なデータが取得できます

金属アーチファクト低減による画質の改善 

 金属アーチファクトとはCT撮影を行う際に金属などの吸収係数(放射率)が高い物質が写った場合、ノイズが発生しその周辺が暗く写ってしまう現象です。

 今回導入した320列CTには金属アーチファクト低減技術(SEMAR)が搭載されており、金属の周りに発生した暗い箇所を大幅に改善することができるようになりました。この技術によって従来の撮影では不鮮明であった領域も鮮明に撮影が可能となり、より正確な画像と情報を医師に伝達することが可能となりました。

 

  

赤枠内で発生していた金属アーチファクトが低減されていることが分かります

(左:従来の64列CT、右:今回導入した320列CT)

 

CT撮影について不明点、不安点がございましたら、お気軽に放射線科スタッフまでお尋ねください。