寿泉堂松南病院

精神科・心療内科

法人のご案内

理事長挨拶

理事長

開設以来変わらない「患者さん第一」を胸に

初代理事長・湯浅恭一が、精神医療の理想像を求めて須賀川市の清閑な松林に寿泉堂松南病院を開設してから、40年あまりが経過しました。この間、わが国の人口動態や疾病構造は大きく変容し、経済環境も激しく流転しましたが、複雑化・多様化する社会背景を反映してか、心の不調を訴える方の数は一貫して増加を続けています。
最近の調査によると、わが国では4人に1人がうつ病等の気分障害や不安障害を経験していることが明らかとなっており、今や心の病(やまい)は、一部の人たちだけではなく、誰にでもごく身近に、当たり前にある病となりつつあります。
しかし、精神障害者に対する社会的偏見は今なお根強く、また、地域生活を支える医療・福祉サービスの提供体制の不足などもあり、「入院生活中心から地域生活中心へ」という精神保健医療福祉の基本理念は、実現されているとは言い難い状況にあります。

このような時代にあって私たちは、創業以来のモットーである「患者さん第一」主義を基本に、患者さんの心、生活、立場に寄り添った精神科医療、看護、福祉の提供を通じて、地域社会に貢献していきたいと考えます。
心の病は、その性質上、どうしても治療期間が長くなりがちですが、当院を訪れる患者さんが、緑と光に満ちた療養環境とヒューマニティあふれるスタッフに囲まれて、一日も早く回復なさることを心より願っております。あわせて、当院に対する忌憚のないご意見・ご要望をお寄せいただきますようお願い申し上げます。






院長挨拶

院 長

自分や自分の家族もかかりたい病院を目指して

5大疾病とは、厚生労働省が、今後増加が予測される、あるいは、既に罹患者が多く対策が急がれる疾患に対して重点的に取り組むことを宣言したものですが、平成25年度からの医療計画に、従来の癌、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病の4大疾患に精神疾患が追加されました。その背景には、自殺既遂者が、平成23年度まで15年連続して3万人を越えたこと、このうちの約70%は、うつ病をはじめとする精神疾患の可能性が高いと考えられることがあげられます。さらに世界一の速度で進行している日本の高齢化社会に伴い、介護保険の対象となる65才以上の人口が増加し、認知症になる方が増えている現実があります。かつて呉秀三は精神疾患の患者さんについて、病気になった不幸、および対策の遅れたこの国に生まれた不幸を訴え、精神疾患が病院ですら治療されていない事態の改善を求めました。さすがにその当時とは異なり、現在では病院にかかることは、もはやタブーではなくなりつつありますが、先進国の中ではワーストクラスの平均在院日数の長さが示す入院主体の治療といった社会復帰対策の遅れが指摘されております。

寿泉堂松南病院は、3.11の東日本大震災のため病棟の77%が使用不能となりました。その後、平成24年11月に新病棟が完成し新たなスタートをきることができました。入院治療は前述のようにあくまでも精神科治療の一端ではありますが、ハードウエアとしては最高の環境を整えることができたと自負しております。精神疾患は、5大疾病に挙げられる他の疾患と同様にいまや誰もがかかりうる疾患であり特別な病気ではありません。言い換えれば、自分や自分たちの家族が罹患する可能性が当然ながらあるとも言えます。私たちはこのことを肝に銘じ、誰もが自信を持って選択できるような病院づくりを目指していきたいと考えております。