[診療科紹介]
整形外科
当科の概要
整形外科は、骨、関節、靱帯、筋肉、腱、神経などの運動器の疾患を診断、治療する分野です。運動器疾患には、外傷(骨折、脱臼、創など)、変性疾患(脊椎症、変形性関節症)、腫瘍、および代謝性疾患(骨粗鬆症、くる病、骨軟化症など)があります。
当科の診療内容
整形外科で多い、骨折や脊椎や関節の変性疾患に対する手術や保存療法はもちろん、骨軟部腫瘍や骨粗鬆症を含む代謝性疾患の診療も行っております。
令和5年度診療成績
手術件数:482件
脊髄・脊椎 (48件) | 躯幹(23件) | 肩・上腕 (49件) | |||
腰椎ヘルニア摘出術 | 16件 | 腫瘍摘出術:悪性 | 3件 | 骨接合術 | 27件 |
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腰椎後方固定術 | 12件 | 腫瘍摘出術:良性 | 12件 | 腫瘍摘出術:悪性 | 2件 |
経皮的椎体間固定術 | 1件 | デブリードマン | 1件 | 腫瘍摘出術:良性 | 10件 |
胸腰椎後方固定術 | 1件 | 埋込型中心静脈カテーテル設置術 | 2件 | 挿入物・異物除去術 | 8件 |
頚椎椎弓形成術 | 4件 | 挿入物・異物除去術 | 2件 | 神経剥離術 | 1件 |
腰椎椎弓切除術 | 3件 | 組織試験採取 | 2件 | 組織試験採取 | 1件 |
経皮的椎体形成術(VBS) | 6件 | ドレーン挿入 | 1件 | ||
椎間板内酵素注入 | 5件 |
肘・前腕 (48件) | 手関節・手(56件) | 股関節・大腿(153件) | |||
骨接合術 | 24件 | 骨接合術 | 6件 | 人工股関節置換術 | 3件 |
抜釘・異物除去術 | 8件 | 抜釘・異物除去術 | 12件 | 骨接合術 | 81件 |
腫瘍摘出術:悪性 | 1件 | 腫瘍摘出術:悪性 | 1件 | 人工骨頭挿入術 | 37件 |
腫瘍摘出術:良性 | 5件 | 腫瘍摘出術:良性 | 11件 | 腫瘍摘出術:悪性 | 11件 |
挿入物・異物除去術 | 8件 | 挿入物・異物除去術 | 3件 | 腫瘍摘出術:良性 | 13件 |
デブリードマン | 1件 | 手根管開放術 | 6件 | 挿入物・異物除去術 | 1件 |
組織試験採取 | 1件 | 腱鞘切開術 | 9件 | デブリードマン | 1件 |
腱縫合術 | 3件 | 切開ドレナージ | 1件 | ||
関節形成術 | 2件 | 腓腹筋弁移動術 | 1件 | ||
靭帯縫合術 | 1件 | 関節脱臼非観血的整復術 | 1件 | ||
デブリードマン | 1件 | 創部縫合 | 1件 | ||
変形治癒骨折矯正術 | 1件 | 組織試験採取 | 2件 |
膝 (27件) | 下腿 (51件) | 足関節・足(27件) | |||
人工膝関節置換術 | 6件 | 骨接合術 | 17件 | 骨接合術 | 3件 |
人工膝関節再置換術 | 2件 | 腫瘍摘出術:悪性 | 3件 | ピンニング | 1件 |
人工膝単顆置換術 | 2件 | 腫瘍摘出術:良性; | 5件 | 腫瘍摘出術:良性 | 9件 |
骨接合術 | 7件 | 挿入物・異物除去術 | 17件 | 挿入物・異物除去術 | 1件 |
挿入物・異物除去術 | 4件 | 腱縫合術 | 2件 | 腱縫合術 | 2件 |
半月板縫合術 | 1件 | 四肢切断術 | 3件 | 四肢切断術 | 2件 |
関節鏡下靱帯断裂形成術 | 2件 | デブリードマン | 2件 | 靱帯断裂形成術 | 1件 |
デブリードマン | 2件 | 全層植皮術 | 2件 | デブリードマン | 2件 |
関節炎掻爬術 | 1件 | 関節炎掻爬術 | 1件 | ||
関節離断術 | 1件 | ||||
関節脱臼観血的整復術 | 1件 | ||||
切開排膿術 | 1件 | ||||
組織試験採取 | 2件 |
当科の特徴
当科は、整形一般の診療が可能で、腫瘍、代謝性疾患に強みがあります。人工膝関節置換術においては、ロボティックアーム手術支援システムを用いて、正確に骨切りすることが可能です。
さて、軟部腫瘍の症状は、腫瘤(こぶ)です。多くが良性ですが、なかには悪性腫瘍もあります。悪性腫瘍は、大きいのもが多いですが、小さいこともあり、大きさだけでの見極めは困難です。また、悪性腫瘍は、痛みを伴うと思っていらっしゃるかもしれませんが、軟部悪性腫瘍の多くは痛みを伴いません。よって、痛くないから悪性ではないという判断は成り立ちません。“まずこぶを刺してみる”は腫瘍播種の危険があり、“まず取ってみる”は、腫瘍の範囲を広げ、再発すると更に悪性度が上がる危険があります。こういったことを防ぐには、ガイドラインを遵守した正しいこぶの取り扱いが必要です。こぶについてお困りの際は、是非当科にご紹介いただければ幸いです。
一方、骨腫瘍には年齢や発生部位に特徴があります。そして、軟部腫瘍と異なり、悪性骨腫瘍の多くは持続する痛みを伴います。若年者では原発性骨腫瘍が、中高年者では転移性骨腫瘍や血液疾患が多くなります。痛みが改善しない疾患、例えば若年者で膝周囲の痛みが改善しないときは、骨肉腫の可能性を思い出してください。原発性悪性骨軟部腫瘍は、全悪性腫瘍の約1%と非常に稀ですが、命に係わる疾患であることを忘れてはなりません。手術においては、必要時、CTベースのナビゲーションシステムを用いて正確に切除することが可能です。
また、超高齢社会や生活習慣によって、骨粗鬆症による脆弱性骨折を来す患者さんが後を絶ちません。同じ患者さんが、骨が弱いために、何度も骨折を繰り返し、ねたきりになることも少なくありません。骨粗鬆症により骨折すると、長生きできないということは世界的に知られています。骨粗鬆症は、閉経女性だけがなる病態ではなく、老若男女を問わず、喫煙者、多量飲酒、がんの治療後にも発症します。がん患者さんは日本人の50%を占めますが、がんの治療は進歩がめざましく、治る患者さんが増えてきています。しかし、せっかくがんが治っても、その後に骨折してしまうと長生きできなくなります。骨折しないことが大切ですが、骨折してしまっても、なるべく骨折前の生活レベルを取り戻す、そして次の骨折を予防することが大切です。そのためには、骨折してしまったら、なるべく早くに手術を行って痛みを軽減させてリハビリを行い、次の骨折予防のために骨粗鬆症の治療をしっかり行うことが大切です。骨粗鬆症の治療は、お薬も大切ですが、しっかり食べて栄養をとること、適切な運動をすることが大切です。しっかり食べるには、お口が健康でなければなりません。食べられなくなると、途端に健康が損なわれます。虫歯は、骨粗鬆症の治療にも影響しますので早期に治す必要があり、定期的に歯科医院でケアしていただくことが大切です。さらに、骨粗鬆症の治療は、止めずに一生続けることが大切です。
当院は急性期病院であり、救急患者の受け入れ、手術が主な業務となります。しかし、当科も医師が少ない状況です。そんな中で、救急患者に対応するには、一般外来で落ち着いておられる患者さんには開業医の先生のところで治療を継続していだき、必要な検査やなにか問題が生じた際には再度当院にご紹介いただくという、開業医の先生方と連携を強化する必要があります。当院の立地が駅前ということもあり、通い慣れた患者さんにはご迷惑をおかけいたしますが、郡山市、そして県中の医療を維持するために、ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
最後に、誰でも生まれたからには必ず死を迎えます。長い、短いはありますが、その人生をよりよく生きるための手段の一つが医療だと思っております。患者さんの人生において、その時々でどうすることが最善なのか考えて医療を実践していきます。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。
外来担当医表
曜日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
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午前 |
菅野 平井 |
山田 大瀧 |
菅野 |
平井 大瀧 |
山田 (骨軟部腫瘍外来) |
担当医 (交替制) |
※2024年6月5日より水・金・土のみ完全予約制となります。
※2023年10月より毎月第3土曜日は休診となります。
[休診・変更のお知らせ]
医師紹介
やまだ ひとし
山田 仁
整形外科部長、骨代謝・腫瘍特任部長、
リハビリテーション科副部長
福島県立医科大学(平成6年卒)
Message メッセージ
得意分野・専門 |
骨・軟部腫瘍、骨粗鬆症 |
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所属学会 |
日本整形外科学会、日本骨粗鬆症学会、日本クリニカルパス学会 |
博士号・認定等 |
医学博士、日本整形外科学会認定整形外科専門医、骨・軟部腫瘍医、脊椎脊髄病医、スポーツ医、日本がん治療認定医機構がん治療認定医、日本骨粗鬆学会認定医 |
経 歴
平成6年 | 3月 | 福島県立医科大学 卒業 |
4月 | 福島県立医科大学 整形外科副手 研修医 | |
平成11年 | 3月 | 福島県立医科大学 大学院修了 |
平成16年 | 4月 | 福島県立医科大学 整形外科診療医 |
平成19年 | 4月 | 福島県立医科大学 整形外科助教 |
平成26年 | 4月 | 福島県立医科大学 整形外科講師 |
平成28年 | 4月 | 福島県立医科大学附属病院 地域連携部長 |
6月 | 福島県立医科大学 整形外科准教授 | |
平成29年 | 4月 | 福島県立医科大学附属病院 患者サポートセンター部長 |
平成31年 | 4月 | 福島県立医科大学 運動器骨代謝学講座教授 寿泉堂綜合病院 整形外科着任 |
ひらい とおる
平井 亨
整形外科副部長
福島県立医科大学(平成24年卒)
Message メッセージ
得意分野・専門 |
外傷・手外科 |
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所属学会 |
日本整形外科学会、日本手外科学会、骨折治療学会 |
博士号・認定等 |
医学博士、日本整形外科学会認定整形外科専門医 |
経 歴
平成24年 | 3月 | 福島県立医科大学医学部 卒業 |
平成24年 | 4月 | 総合南東北病院 研修医開始 |
平成26年 | 3月 | 総合南東北病院 研修医終了 |
平成26年 | 4月 | 福島県立医科大学整形外科学講座 入局 |
平成27年 | 4月 | 福島県立医科大学大学院 入学 |
平成31年 | 3月 |
福島県立医科大学大学院 卒業 |
平成31年 | 4月 |
会津中央病院 外傷再建センター |
令和2年 | 4月 |
塙厚生病院 整形外科 |
令和3年 | 4月 |
福島県立医科大学 整形外科 |
令和4年 | 4月 |
塙厚生病院 整形外科 |
令和6年 | 4月 |
寿泉堂綜合病院 整形外科着任 |
おおたき はるか
大瀧 遥
整形外科医長
福島県立医科大学(平成26年卒)
Message メッセージ
得意分野・専門 |
外傷・リウマチ |
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所属学会 |
日本整形外科学会、日本リウマチ学会、日本脊椎脊髄病学会 |
博士号・認定等 |
医学博士、日本整形外科学会認定整形外科専門医 |
経 歴
平成26年 | 3月 | 福島県立医科大学医学部 卒業 |
平成26年 | 4月 | 星総合病院 初期研修医 |
平成30年 | 4月 | 南東北福島病院 整形外科 |
令和4年 | 4月 |
塙厚生病院 整形外科 |
令和6年 | 4月 | 寿泉堂綜合病院 整形外科着任 |
かんの ひろまさ
菅野 裕雅
寿泉堂香久山病院副院長
秋田大学医学部(昭和57年卒)
Message メッセージ
得意分野・専門 |
脊椎外科、人工関節外科 |
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所属学会 |
日本整形外科学会、日本脊椎脊髄病学会、日本リハビリテーション医学会 |
博士号・認定等 |
医学博士、日本整形外科学会認定整形外科専門医、日本脊椎脊髄病学会指導医、日本リハビリテーション医学会認定リハビリテーション科専門医・指導医 |
経 歴
昭和57年 | 3月 | 秋田大学医学部 卒業 |
昭和62年 | 3月 | 秋田大学医学部大学院 卒業 |
昭和62年 | 4月 | 秋田大学医学部附属病院 助手 |
平成3年 | 7月 | 寿泉堂綜合病院 着任 |
平成6年 | 4月 | 寿泉堂綜合病院 整形外科部長 |
平成14年 | 4月 | 寿泉堂綜合病院 副院長就任 |
平成28年 | 12月 | 寿泉堂香久山病院 副院長就任 |