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ごあいさつ

理事長のご挨拶

【 過去の理事長挨拶 】

病院とホスピタリティ

 まだまだ寒い日が続いていますが、日ざしにはなんとなく春の気配が感じられるようになってまいりました。そろそろ花粉症も話題となる時期ですが、皆さまはいかがお過ごしでしょうか。

 昨年の前理事長・湯浅伸郎の急逝から、はや8ヶ月あまりが経過いたしました。皆さまから頂戴した温かい励ましのおかげもあり、私自身、そして職員も次第に落ち着きを取り戻しつつあります。

 

 前理事長が手がけた最大の事業である寿泉堂綜合病院の新築移転工事は、国、福島県、郡山市、そして地権者と近隣の皆さまのご支援・ご協力を得て、予定通りの工程で順調に進行中です。この2月からは、住友不動産株式会社により病院上層部のマンションの分譲も開始されました。私の部屋からは、2機のクレーンタワーがフル稼働している様子が間近に見えるのですが、日々高さを増していく再開発ビルを眺めていると、竣工が待ち遠しいのと同時に、自らの責任の重さに身が引き締まる思いがします。

 

 

 当法人では、4月から事業年度が替わり、また新たな1年間のスタートを切ることとなります。平成22年度は、新病院の竣工へ向けた諸準備を万端なく進め、平成23年1月に現病院から新病院への移転を完了し、新しい病院での診療を開始したいと考えています。

そのためこの1年間は、建物・設備の充実以上に中身(診療内容)の充実に力を注ぎ、常勤医師をはじめスタッフの増員を図っていくこととあわせて、国内外の各種診療ガイドラインの活用、間もなく本県でも開始される予定の「地域がん登録」への参加、他病院・診療所との連携のいっそうの推進等によって、質の高い、透明性ある医療を提供できるよう努力を重ねていく計画です。

 

 病院(ホスピタル)には、英語での語源を同じくするホテルと共通する部分が少なからずありますが、私は、両者の最大の共通点は、「最終的にその善し悪しを決定するのは、そこで提供されるサービスの質である」ことにあると思っています。

 もちろん、病院もホテルと同様に装置産業的な一面を有していますから、最新の医療機器を配置し、清潔で快適な病室や開放感のあるデイルームなどを整備することもたいせつです。しかしそれ以上に、病院のサービスの質を決定するのは、なんといってもそこで働く職員の質であり、すべての職員がマインドの根底に、「ホスピタル」の語源であるホスピタリティ(hospitality) --おもてなしの心--を有していることがきわめて重要であると、私は思います。

 ここでいう「おもてなしの心」とは、言葉がていねいであるとか、挨拶がきちんとできるといった表層的なことに止まらず、医療とはあくまで人対人の血の通ったものであることを深く理解し、患者さんや、患者さんの家族の喜び・悲しみを自らの喜び・悲しみとして共有することのできる「感性」と言ってもいいかもしれません。感性とは人が生まれながらにして身につけているものであり、一朝一夕に身につくものではないことは重々承知しています。しかし、元々病院で働くスタッフには、医療の世界を志した時点からこの「感性」が備わっていることを信じていますし、幸い私たちには、「患者さん第一」という創業以来の基本理念があります。

 

 新しい病院が徐々に姿を現してきているこの時期だからこそ、私たち職員一同は「患者さん第一」という基本理念を胸に刻みなおし、日々の業務に取り組んでいく所存です。どうか新しい1年間も皆さまからのご指導を賜りますよう心よりお願い申し上げます。

(2010.2.15 記)

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